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「社会のニーズを発掘し、新たな価値を生み出そう!」
公益財団法人川崎市産業振興財団 産業支援部長 高梨憲爾
川崎市は今年7月、市制100周年を迎えました。
大正13(1924)年に人口5万人余りで市制がスタートした川崎市、戦争や公害など様々な困難を乗り越え、
今や155万人の人口を擁し我が国を代表する産業都市として成長を遂げるに至っています。
この産業都市川崎の礎を築いた人物といってまず思い浮かぶのは、川崎臨海部の生みの親とも言われる浅野総一郎氏でしょう。
彼は大正の初期、鶴見区から川崎区にかけての臨海部の埋め立て工事に着手し、
現在の京浜工業地帯の基盤をつくりました。
川崎区にある浅野町という地名は、彼の名にちなんでいます。
彼は生涯数々の事業を成功させましたが、その成功の要因の一つに、社会のニーズやモノの価値を見抜く力がありました。
現在では製鉄事業に欠かせないコークスですが、明治の初期、コークスは石炭ガスを製造した後の廃棄物で、その処理が問題となっていました。
しかし、彼はこのコークスにも別な活用方法があると考え、セメントを製造するための燃料として活用することを見いだします。
そして、大量のコークスを安値で仕入れ、セメント会社に売却することで大きな財を築きました。
「一見たいしたものでないと思えるものであっても、見方を変えれば別な活用方法があり、
また社会にはそれを必要とするニーズがあって、そのニーズを探し当てることで高い価値に変えることができる」、
彼のこうした考えは、後の事業成功の礎となったようです。まさに今でいうイノベーションですね。
私どもの財団でも現在、社会のニーズを発掘し、市内企業の皆様が保有する製品や技術とつなげる取組を行っています。
ナノ医療イノベーションセンター(通称iCONM)では一昨年から、医学、工学、看護学を連携させた「CHANGE」というプロジェクトをスタートさせました。
このプロジェクトの一環に、「あったらいいね」をキーワードとした取組があります。
医療の分野では医療技術や機器の進歩がある一方で、看護現場ではまだまだ人の手に頼るところが大きい状況です。
そうしたことから、「こんな機器があったら、こんな技術があったら、看護職員の負担をもっと軽減できる、
もっと質の高い看護サービスが提供できる」と、そうした看護現場のニーズを発掘し、ものづくり技術やデジタル技術を融合させて、
課題解決につながる製品や技術を作り出そうとするものです。
これからは人口が減少し、需要も減退すると言われていますが、その一方で、社会の変化は激しく、
人々の生活は多様化しています。
こうした変化の激しい社会、多様化した社会には、私たちがまだ気づいていない社会のニーズ、人々のニーズがたくさんありそうです。
こうしたニーズを発掘し、製品や技術に工夫を加えることで、ニーズに応えた新たな価値を生み出すことができるのではないでしょうか。こうした新しい価値を生み出す取組を、皆様とともに進めてまいりたいと思います。
「AI技術と高速計算サービス」
技技術士(情報部門) 久田見 篤
企業の実務で計算尺やそろばんが使われていた時代をご存知でしょうか。
1970年代に集積回路を用いた電卓が普及したことにより、計算尺やそろばんは実務の第一線からは退きました。
その後、1980年代に個人用のPCが登場し1990年代には職場にも普及しました。
インターネットで世界が繋がり、2000年代には個人用の携帯電話が普及し、
2010年代以降はスマートフォンやタブレットなどの携帯端末でクラウド型サービスを利用する形態が一般的となっています。
ここ半世紀あまりの情報処理と通信に関わる道具と環境の変化には驚くべきものがあります。
今日、2020年代に話題となっている技術の一つにAI技術があります。
従来のAIは決められた知識やルールを基に処理を自動化するものでしたが、データのパターンや関係を学習し、
文章、画像、音声などの新しいコンテンツを生成することができる生成AIが登場して注目を集めています。
機械学習を伴う生成AIでは、大量のデータと高速な計算が必要とされるため一般的なPCでは計算能力が不足しますが、
AmazonやOracleなど、クラウドサービスを提供しているプロバイダ各社は、生成AI向けの高速計算サービスの提供を始めています。
大規模言語モデル(LLM)の取り扱いや、生成AI、機械学習や科学シミュレーションの実行に対して高い性能を発揮するサービスです。
国内各社も同様のサービスを開始しています。
PCでは力を発揮できない生成AI技術も、これらの高速計算サービスの登場により、開発と普及が加速されることが期待できます。
生成AIに関しては、今後の社会や生活にどういった形で影響を与えるかは予測できない面もあります。
これは、これまでの情報化社会は計算や通信に関わる道具の進化に依存して発展してきましたが、
生成AIは人間が行っていた作業の一部を機械が実行するものであり、使い方が不明な道具を手に入れたとの側面を持つからです。
生成AIが出力する情報は信頼に値するのか、結果に対する権利や責任は誰が負うのか、能力や利用範囲に制限は不要か、
これらの疑問を解消するには社会的な認知や法的な整備の必要性も考えられ、今後10年単位で時間がかかることも予想できます。
一方で、生成AIの利用環境として提供される高速計算サービスは、科学技術計算に大きく貢献できる可能性があります。
これまではスーパーコンピュターで処理していた気象予測、流体解析、電場解析、環境シミュレーションなどの大規模計算が、
高速計算サービスを利用することで一般企業にも扱いやすくなり、数年以内には産業に影響を与える成果が出る可能性もありそうです。
高速計算サービスの利用が拡大することで、生成AIや科学技術計算の利用に新たな進化が期待できます。
生成AIが社会に与える影響を予測することは困難な面もありますが、
環境が整備され開発が進むにつれ時間をかけて課題や価値が明らかになると考えるのが良さそうです。
一方で、高速計算サービスの普及は早期に産業や社会に影響を与える可能性がある様に思います。
お役立ち最新情報
[技術士によるセミナー] (現場経験に基づくホットな内容)
◇2023年度「KIIP公益財団法人川崎市産業振興財団」との共催(技術)セミナー開催のご報告
今年度は下記の2テーマについての開催を終了致しました。 第1回:「モノづくり現場での材料ロスの見える化と情報開示への準備」 ~カーボンニュートラルの流れを見据えた現場対応~」 10月18日(水) 第2回:「リチウム二次電池とこれからの蓄電技術」 11月15日(水) 場所:オンライン(14:00~16:00/講義90分、質問30分) 今年度も同様、共催(技術)セミナーを企画いたしますので、 より多くの皆様にご参加・ご活用頂きたく、よろしくお願いいたします。 |
[支援事業] (申込先:川崎市中小企業サポートセンター)
ワンデイ・コンサルティング (無料) |
原則随時です | 企業に出向き緊急の課題を支援します。最大3回可能です。 |
専門家派遣 (有料) | 募集があります | 費用は半額企業負担です。課題に対し最大12回の継続支援。 |
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