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「キングスカイフロントから生まれる医療イノベーション「ナノマシン」」
川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター 櫻井 亨
多摩川対岸に羽田空港を望む殿町地区は、キングスカイフロントと名付けられた 「国家戦略特区・国際戦略特区」。2011年、実験動物中央研究所を皮切りに、 川崎生命科学・環境研究センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン㈱、国立医薬品商品衛生研究所など研究機関、企業、大学が続々と立地し、 羽田空港との連絡道路(2020年完成予定)が繋がるなど、川崎の新しい顔として変貌を遂げようとしています。 このエリアの中核拠点、ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)は、 川崎市の依頼により、川崎市産業振興財団(以下「財団」)が事業者兼提案者として国の施策を活用、整備しました。 財団が研究機関としての新たな役割を担い、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム」を受託しました。 「スマートラフケア社会への変革を先導するものづくりオープンイノベーション拠点(COINS)」となって、 複数の企業、大学等との産学連携で “体内病院”の実現を目指しています。 ナノマシンと呼ぶナノサイズのカプセルに抗がん剤等を搭載、ピンポイントに患部へ送達、癌の治療、 さらには脳疾患の治癒を可能とする画期的な医療技術です。 既に複数の特許を出願、ベンチャー企業が誕生するなど、、川崎発のイノベーション創出に向けて邁進しています。
「設備保全の見える化の試み 」
技術士(機械・総合技術監理部門) 遠藤 民夫
従業員100名ほどの、ある中小食品製造会社の設備保全に関する技術支援を行っており、
昨年実施した設備保全の細やかな見える化の施策について述べます。
食品製造業の使命としては、決められた時間に食品を提供することがあります。
食品の特性として、作り置きはできないので、計画的に決めた時間に原料を投入し、
製造設備でほぼ自動で製品を作り上げています。ここで困ることは、設備の突発故障です。
1日数万個レベルの生産をしており、故障発生時は従業員が総出で対応しています。
製造設備の状態は作業開始前、清掃作業時に点検していますが、故障に繋がる兆候を見つけ出すことは困難で、
一部、定期点検を設備メーカーに依頼していますが、予防保全には至っていません。
食品製造機械の内部にはチェーン、軸受け等の機械部品が多数使われています。
設備故障の大半はチェーンの摩耗による弛み、チェ-ンローラの回転不良、軸受け破損など機械的摺動部が原因となって起こります。
昨年夏に食品発酵設備内部にある、チェーンと軸受を全数交換することとなりました。
この部分は、設備の筐体内に入っているため、日ごろ目視点検が難しい部分で、頻繁に問題が発生していました。
丁度よい機会と思い、チェーン、軸受け交換前と交換後のモータ電流値を計測したところ、
交換前が3.3Aであるのに対し、交換後は2.7Aと電流値に明らかな減少が認められました。
モータ電流は負荷トルクに比例して変化することから、この減少はチェーン、
軸受交換により、モータ負荷トルクが減少したことによるもので論理的にも納得できます。
取り外した軸受けやチェーンローラ状態を確認したところ、それらの回転具合はかなり重い状態で、
この点からも交換前のモータ負荷が大きかったこと、機構としても劣化が進み異常であったことが確認できました。
即ち、モータ駆動負荷の正常な状態と異常な状態の電流値が明らかになったことから、
この電流値の変化を継続的に計測することで、チェーン、軸受けの異常を察知(見える化)でき、
予防保全の大きなツールとなると考えました。工務担当者へ2週間に1回程度、電流値の測定を依頼しグラフ化し継続監視しています。
単に電流値を計測しただけですが、設備保全状態を数値化できたことは、この会社では大きな進歩です。
今後は他の設備への水平展開を考えています。モータ電流値の計測が進めば、どの設備でエネルギーの消費が多いかも分かります。
エネルギー多消費設備については、リアルタイム計測を行うことで、設備運用面からの省エネ改善にも繋がる施策と考えています。
「偽装防止という経営課題 」
技術士(経営工学部門) 和田 吉正
2017年を代表する漢字は「北」が選ばれましたが、昨年はものづくりに携わる者として、
「偽」という漢字が忘れられない一文字になりまた。
昨年9月、国土交通省の立ち入り検査で日産自動車の完成検査に検査員偽装があったことが発覚しました。
意図的に無資格の補助検査員に検査を担当させていたというものです。不祥事はこれで終わらず、
神戸製鋼所によるアルミ・銅製品の検査証明書データの改ざん・捏造、そして三菱マテリアルの子会社及び東レの子会社と続きました。
これら大手素材メーカーの偽装行為は、自動車部品、ジェット旅客機、ガスタービン等々の品質・安全性能を脅かし、
関連産業に大きなマイナス影響を与えることが懸念されています。
「偽装とは、経済的利益を目論むことにより顧客や消費者を騙すこと」です。
なぜ偽装が起きてしまうのでしょうか。
今回のケースでは、“人手不足”や“上に逆らえない組織風土”や“技術屋の勝手な判断”などが推定理由として挙げられていました。
経営管理的にはどれも正当な理由とは思えません。
本来、トップの方針・指示が正しく、環境変化に適応した資源投入が行われ、
業務問題レビューの仕組みが有効に機能していれば偽装は防げるはずです。
トップのリーダーシップ如何で状況が決まると言って過言ではないでしょう。
偽装防止はどうすればよいのか…?トップが確実にすべき経営課題は大きく分けて次の3点です。
①全生産プロセスのどこに偽装発生の潜在的要因があるのかを知るための脆弱性評価手順を作る。
②評価結果を踏まえ、偽装発生リスクを最小化する管理手段を決め、資源投入計画を立案・実行する。
③上記偽装防止システムを現品質管理システムに追加し、確実にマネジメントレビューを行う。
ライフサイエンス、情報通信、環境、エネルギー、メカトロニクス、素材等の分野で技術革新が加速度的に進展しつつあります。
そんな先進技術の時代だからこそ、間違いを許さない「日本のものづくり・現場力」で実用化・量産化を支えていかなければなりません。今後の経営計画を作成するに当たっては、是非今回の一連の不祥事を“他山の石”とされ、偽装防止を経営課題の一つに加えられることをお勧めしたいと思います。
お役立ち最新情報
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今年度の川崎市産業振興財団との共催のセミナー(かわさき新産業創造センターで開催)は終了しました。 (参照:http://n-kgc.or.jp/information/k20170728/) |
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