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「日本人の理性を示そう」 技術士(経営工学部門) 和田 吉正
4月1日に食品中の放射性セシウム新基準(年間線量1ミリシーベルト)が施行されました。
専門家の見解では従来の暫定規制値(年間線量5ミリシーベルト)でも健康影響はないとされていますが、
厚生労働省は、「一層の安全と安心を確保するため」に引き下げたと説明しました。
にもかかわらず、調査結果では「検査結果を確認せず産地を気にして購入する」という消費者が77%に上りました。
なぜこのように風評被害が無くならないのでしょうか。
理由は、人間の脳の特徴にあるようです。240万年前のホモハビリスの頃から進化してきた人間の脳には、
「安全情報は無視して危険情報を重視し、直観的に判断する」、「利益情報を重視し、信頼する人に従う」
という特徴があります。
ですから専門家やマスコミは、繰り返し安全を説き、不安をあおることなく、
国民に理解・安心を促がす必要があります。
公益財団法人放射線影響研究所の原爆被爆者研究データでは、
100ミリシーベルト以下の被曝によるがんリスクは1.05倍と低い値です。
一方、国立がん研究センターの研究データでは、運動不足によるがんリスクは
1.15倍、喫煙は1.6倍に達します。科学的安全情報に目を向け、伝え合い、過剰不安による風評被害から脱し、
困難を乗り越えた日本の姿を海外に示したいものです。
「中小企業も知っておきたい米国特許制度大改革」 技術士(電気電子部門) 黒田 雄一
米国は、昨年(2011年)に特許法を改正し、約60年ぶりとなる特許制度の大改革に踏み切りました。
この改革は、米国企業だけでなく、米国へ製品を輸出したり米国で事業を行ったりしている各国企業
(その関連企業や下請け企業を含む)にも大きな影響を与えるものです。
ここでは、その背景と意味を考えてみます。
米国は建国後まもなく特許制度を設けて産業の発展に努めてきましたが、
その間、特許に対する考え方の振り子が、特許の権利を重視する立場(プロパテント)と
制限する立場(アンチパテント)の間で、大きく振れてきました。
1980年頃以降、それまでの産業競争力低下を立て直すためプロパテントの政策が続きましたが、
その弊害も目立つようになり(代表例は、産業実態のない特許権を武器に企業から賠償金を稼ぐ所謂パテントトロール)、
最近ではIT企業を中心にその是正を求める声が高まりました。
また、米国の制度では「先に特許を出願した」者ではなく、「先に発明をした」者が特許を受けられる仕組み(先発明主義)です。
日本を含め他の国は、いずれも「先に特許を出願した」者が特許を受けられる仕組み(先願主義)をとっています。
このような制度の食い違いは、今日のようなグローバル経済の時代に合わず、実務上も審査や裁判の手続きを複雑にして解決を長引かせています。
このため、先願主義への移行が重要な課題として真剣に議論されるようになりました。
そこで2011年の改正特許法は、先発明主義から先願主義へ移行すると共に、
権利の有効性をより厳格にチェックするための多くの仕組みを導入して、特許制度の大幅な改革を実現しています。
また、パテントトロールの横行を抑制する判例が積み重ねられてきたので、特許法改正と相まって、
プロパテントの行き過ぎを是正する体制がとられたといえます。
ただし、先発明主義を擁護する立場の大学や個人発明家の声も無視できないため、妥協点として「先発表優先」という制度を導入しています。
これは、出願前1年以内の論文やインターネットでの発表は拒絶の理由にならず、複数の出願人が競合した場合は
先に発表した方が権利をとれるという独特の制度で、日本など各国の制度とは依然として違いがある点には注意が必要です。
とはいえ、各国の特許制度の歩み寄りという意味では、大きな一歩であることは間違いありません。
「省エネで最先端を進む川崎市内の発電所」 技術士(電気電子部門) 増田 久喜
川崎市内に商用の原子力発電所はありませんが、かつて実験炉はいくつか存在しました。
原子力発電は原子力燃料から発生する熱で蒸気を作り、蒸気タービンを回して発電します。
蒸気を作った後の発電のしくみは通常の火力発電所(正確には汽力発電所)と同じです。
ただし、燃料棒の被覆に使われているジルコニウムが高温に弱いため、発生蒸気の温度と圧力が低く制限され、
熱エネルギーから電力に変換する熱効率は30%余りで、70%弱は外部環境の海水に熱として放出されます。
最近の汽力火力発電所は、高温高圧の蒸気を使い熱効率は50%に迫っており、
さらに天然ガスを燃料に使うガス・タービン・コンバインド・サイクル(GTCC)発電では、
天然ガスを燃やしてガスタービンを回し、その排熱で蒸気を作り蒸気タービンを回すことで、熱効率は60%程度と抜群です。
川崎市内には臨海部に多くの火力発電所が存在します。現役の発電設備の運転開始が古い順では、
- 東京電力東扇島火力発電所、100万kW×2=200万kW、天然ガス汽力発電。
- 東京電力川崎火力発電所1号系列、50万kW×3=150万kW、天然ガス1500℃級GTCC発電。
- 株式会社扇島パワー、40万7千百kW×2=81万4千2百kW、天然ガスGTCC発電。
- 東京電力川崎火力発電所2号系列1軸、50万kW、1500℃級GTCC発電、運転開始本年夏。
- 同2号系列2、3軸、71万kW×2、1600℃級GTCC発電、2016年、2017年運転開始予定。
この中で、東京電力川崎火力発電所は、蒸気タービンの排出蒸気を千鳥町にある十社の工場に熱源として供給しています。
この発電に伴う排熱の利用をコジェネレーションと呼び、これを含めた熱効率は極めて高く排熱が少ないため、
工業地域に設置する発電所の理想モデルとも呼べるでしょう。
自然エネルギーの太陽光発電はどうでしょう。大規模太陽光発電所をメガソーラーと呼びますが、
川崎市内には日本最大級のメガソーラーがあります。
東京電力浮島太陽光発電所は最大出力7千kW、東京電力扇島太陽光発電所は最大出力1万3千kW、どちらも昨年に運転を開始しました。
現在の太陽光発電効率は20%弱ですが、国のプロジェクトが効率40%を目指して進んでいます。
このように川崎市内には火力発電所やメガソーラー等、多くの発電設備が設置されていますので、今後のさらなる展開を期待したいものです。
お役立ち最新情報
[技術士によるセミナー]
省エネルギーやものづくりに関する「技術セミナー」を下記の日程にて開催いたします(計4回)。 具体的な題目や講師は順次ホームページなどでお知らしますのでご期待下さい。 ①10月19日(金) ②11月16日(金) ③12月19日(水) ④1月16日(水) |
[支援事業] (申込先:川崎市中小企業サポートセンター)
技術士による技術窓口相談 (無料・要予約) |
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