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「十年一昔」に思うこと 技術士(機械部門) 武藤文男
起業家の支援、中小企業の新分野進出等を支援することを目的として、
現、公益財団法人 川崎市産業振興財団が主催する「かわさき起業家オ-デイション ビジネス・アイデアシ-ズ市場」が
平成13年11月に発足してから満十年になり、この12月20日第74回目の発表会と十周年の記念大会が催されるとのこと。
誠に目出度く、また他に類を見ない開催回数の多さに、集客と運営にはさぞ大変なご苦心をされたことと心から敬意を表する次第です。
「かわさき技術士クラブ」は当財団の応援団として平成14年3月に発足し、明年3月で満十年になります。
財団に専門家登録した技術士約30名で構成される当クラブは、窓口相談、専門家派遣、新事業アイデアの発掘、
人材育成セミナ-講師派遣、広報誌「かわさき中小企業技術支援ニュ-ス」の発行と各種の支援業務に取り組んできました。
設立から8年間の代表幹事(現在顧問)として、その当時思い画いた当クラブの活動目標とこの十年の結果はどうであったか。
また、今後の十年はどうあるべきか等々種々思いを巡らす今日この頃です。
東日本大震災に学ぶ事業継続マネジメントのポイント 技術士(経営工学部門) 前田知久
事業継続とは企業が災害や事故などで被害を受けても、「重要業務を中断が許される時間内に、なるべく早く回復させること。 ただし中断が許されない業務は中断させないこと」とされます。東日本大震災では大地震と巨大津波が、地域の企業に大きな打撃を与えました。 近年、企業などの各組織で関心が高まっている事業継続マネジメント(BCM)は、このような大災害であっても、機能することが期待されます。 今回の被災で企業が取った実際の対応の中から、何がBCMのポイントだったかの示唆を得ることができます。
- 代替生産は緊急時の事業継続の柱、戦略的準備が必要
大規模被災の場合、代替生産が事業継続の要となります。 大震災ではこれが有効に機能した企業が数多く見られました(国内他地域のグループ内工場での代替生産、競合他社に代替供給を依頼など)。 自社の生産工場が被災した場合の代替生産をどうするのかを事前に実現可能な候補案を検討しておくことが極めて重要です。 - 現地復旧は本格復興の要
代替生産はあくまで代替、如何に早くに現地復旧に移行できるかが事業本格復興の本格復興のカギとなります。 - サプライチェーン(SCM)の重要性
部品、材料供給元の被災が被災していない地域の完成品工場の稼働を止めてしまった事例が自動車、エレクトロニクス産業を中心に多く見られました。 下請け末端まで部品材料供給元を把握しておくこと、数次下請け部品が一社に集中していないかなど、新たなSCMのポイントがクローズアップされました。 逆に供給責任を負う下請け側は完成品メーカーにとって自社のウェイトがどの程度なのかをしっかり認識しておく必要があります。 - 人・組織などに係わるBCM初動対応は「想定外」の事態にも有効
従業員の安否確認や連絡網の確保、指揮系統の明確化などBCMの初動対応の基本は変わらず、 その訓練を重ねている企業では想定外の地震・津波の被災に対しても効果がありました。
http://www.engineer.or.jp/cmty/bousai/mamechishiki2011.pdf
MOT第13回「新製品開発(その3)」日本のオープン・イノベーション事情① 技術士(化学部門)佐々木久美
前稿(その2)[第23号]では、開発テーマを発掘し事業化へむけて推進する手法を幾つかご紹介し、
その中で、社外との連携から創出されるオープン・イノベーション(以下「O-I」)をご紹介しました。
ところで、10/7付日刊工業新聞一面トップに「大ガス、中小と共同開発55テーマで呼びかけ」と題する記事が掲載されました。
大阪ガスでは複数の企業などが知識や技術を持ち寄って革新的な技術開発を促すO-I手法の実践に積極的に取り組んでおり、
10/26に電通大で企業同士や産学官を結び付けるコーディネータ向け説明会を開く、との記事。
筆者もおっとり刀で参加した所、80名を超す首都圏の産学官及び金融機関の連携コーディネータが狭い会場を埋め、
予定時間を超す大ガスのO-I室長によるエネルギッシュなテーマ説明と質疑応答があり、その熱気に圧倒された次第です。
今後、同社では55テーマに対する提案をエントリーシートの形で11月末までに受け付け、有望な提案企業とは面談ヒアリングに進めるとのこと
そもそも、大きな技術革新を生み出すには従来の延長線上に無い要素技術が必ずどこかで必要になります。
O-Iは、自社に足りない要素技術を他社や外部機関から導入しようとする手法で、
2000年初頭に日用品・食品メーカーのプロクター&ギャンブル社がこの手法を利用して業績を大幅に拡大したことで注目を浴び
、米国系大企業を中心に積極的に取り組まれるに至った経緯があります。しかしながら、
取り組みに際しては秘密保持の壁が障害となることが多く、日本企業では腰が引けた状況が続いていました。
即ち、取り組みを開始した企業は、自社ニーズをどこまで開示するかの判断の壁に遭遇します。典型的な失敗パターンは、
自社も相手側も技術の核心部分は隠し合い、話が進まないケースです。仲介会社の利用等、
この様な溝を埋めるための工夫が種々なされておりますが、その手間とコストを節約する手法の一つが今回の様なマッチング説明会でしょう。
要するに、日本でも大手企業と言えども自前主義を捨て去り、O-I活動を通じて中小企業の得意技術を吸い上げ、
自社技術と融合して新たな技術革新に繋げるという新技術開発手法が盛んになりつつあります。
自慢のオンリーワン技術を有する中小企業も、
これをチャンスとして捉えることができる状況になっていると言えます。
お役立ち最新情報
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メニュー | 日 時 | 内 容 |
平成23年度セミナー (18:00?20:00) 場所:川崎市産業振興財団 |
12月21日(水) | 省エネルギー 技術士 佐野芳昭、技術士 岡野庄太郎 | 1月11日(水) | 技術経営 技術士 久田見篤、技術士 渡辺春夫 |
[支援事業] (申込先:川崎市中小企業サポートセンター)
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