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「放射線被ばくの新聞記事を見ながら」 技術士(生物工学部門) 木幡 守
人は誰でも各種の放射線、すなわち自然放射線(食品由来、大気中のラドン、大地放射線、宇宙線)や
医療放射線(X線・CT撮影、放射線治療等)などによりいつも被ばくしています。
人によっては原発作業員、放射線技師、航空機乗務員等の職業被ばくもあります。
さらに、今回の原発事故や過去の核実験による事故被ばくが加わります。
昨年12月福島県などの調査では、食品中の放射性セシウム摂取による被ばく量は、
食品中の放射性カリウム(K-40)による被ばく量よりはるかに低く、心配ないという結果が得られています。
天然のカリウムに微量のK-40が存在し、通常の食品を介して誰でもK-40を摂取・蓄積しています。
成人男子は体内にK-40を約4,000ベクレルも保持しているとのことです。
改めて身の回りには放射能が予想以上に多いことに驚きます。問題はそれらの「量」です。
放射能の正しい理解には、専門家の判断に頼らざるを得ません。
想定外や判断ミスはあるでしょうが、
国際機関等の科学的根拠に基づいた専門家の「常識」以上に信用できるものはありません。
被災地の方々の心情を逆なでするような風評被害に惑わされることのないようにしたいものです。
「化学物質のリスクアセスメント」 技術士(生物工学部門) 久保 康弘
企業の作業場には、原材料となる化学品や有機溶剤、希釈剤、洗浄剤など、色々な化学物質が存在します。
作業者が、取扱う化学物質の有害性・危険性を知らなかったり、取扱いや保管の方法が適切でなかったことで、
火災や爆発、傷病の健康被害などの労働災害(死亡・休業4日以上)が
毎年600~700 件程度発生しています(厚生労働省調べ)。
従来の規制による化学物質の管理は、化学物質のもつ固有の有害危険性(ハザード)を基準に行われてきました。
しかし、化学物質によって起こる可能性のある実際の有害危険性のリスクは、
その物質にどの程度、接触・摂取(暴露)するかによります。
有害危険性だけでなく「暴露」の程度の評価も合わせて行い、その結果から得られるリスクの大きさを評価、
その程度により管理の内容を決めていくリスク管理が重要になります。
化学物質に起因する労働災害は、化学工場や化学品倉庫など、化学物質を直接取り扱う事業場だけでなく、
工事現場や飲食店、温泉施設、娯楽場、自家用車内など様々な場所で発生します。
作業場で化学物質に起因する労働災害の発生を防止するため、労働者に危険、
もしくは健康障害を生じさせる恐れのある化学物質につき、その危険性・有害性等の調査を行い、
その結果に基づき、労働者を労働災害から守るため必要な措置を適切かつ有効に講じるリスクアセスメントが必要となります。
化学物質のリスクアセスメントとは、化学物質により発生する各種の有害危険性の程度であるリスクを
評価(アセスメント)することです。
有害危険性のリスクとは、化学物質による環境への有害危険性の程度、
ヒトの健康への有害危険性の程度、爆発・発火などによる設備やヒトへの有害危険性の程度などで、
その有害危険性の発生する確率や影響の程度で表現されます。
労働安全衛生法では、職場におけるリスクアセスメントの実施を事業者に努力義務として課しており、
化学物質のリスクアセスメントを適切かつ有効に実施するためのガイドラインとして、
厚生労働省から「化学物質等による危険性又は有害性等の調査等に関する指針」1)が公表されています。
事業者には、この指針に沿って化学物質に起因する労働災害のリスクを見積もり、
必要な対策を検討・実施することが求められます。
1) http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0330-2.html
MOT(第15回) 「死の谷」 技術士(機械部門) 磯村 正義
製品の開発過程を、研究開発から始まって、製品化、事業化とステップを追って考えた時、
そこには越えなければいけないさまざまなハードルがあります。
そのハードルのことを「死の谷」と呼ぶことがあります。文字通り、開発の成果を事業化に結びつけるには、
単に開発の延長線上にない、必死で乗り越えなければいけないハードルがあるということです。
「死の谷」を乗り越えるには、技術的側面、経営的側面、社会的側面等、多くの角度からの検討が必要ですが、
一朝一夕でできるものではないことは承知しておかなければいけないでしょう。
技術シーズの開発から事業化に至る期間はものによって違いますが、一般的には数十年はかかるものです。
一例として、デジカメをとりあげてみましょう。イーストマン・コダックがデジカメを発明したのは1975年のことですが、
これが一般に普及し始めたのは、1995年カシオがQV-10という機種を発売した時と言われ、
イーストマン・コダックの発明から実に20年を要しています。以後デジカメは着実な進歩を遂げて今日に至っています。
技術的には、高画素数化や記憶媒体の高密度化、バッテリー性能の向上等、めざましい進歩がこの発展を支えていますが、
同時に注目しなければいけないのは、技術の進歩にあわせた市場形成が行われており、
それは従来のカメラ市場の枠を超えるものであったということです。
デジカメを発明したイーストマン・コダックがこの市場に乗り遅れ、経営破綻したのは皮肉なものです。
さらに「死の谷」を克服するために注意しなければいけないのは、
一般的に、製品投資は研究投資よりも一桁以上大きく、その経営的判断が難しいということです。
上述のデジカメの例で言えば、市場が広がるにつれて参入メーカーが乱立し、
価格競争、性能競争が激しさを増しています。
それに打ち勝つためには絶え間ないコストダウン、品質改善、新機能開発が要求され、
そのための投資も膨大になってきています。実際にそれに耐えきれず撤退したメーカーも少なくありません。
どうやって「死の谷」を乗り越えるかは、MOTの大きな課題で、
イノベーション(技術革新、経営革新)の重要性がますます大きくなってきている所以です。
お役立ち最新情報
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