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NPO法人かわさき技術士センター

技術支援ニュース

No.10


2008年 3月号


発行責任 かわさき技術士クラブ

コラム 「中小企業技術革新(SBIR)」制度  技術士(化学部門) 岩崎 博

中小企業技術革新(SBIR)制度―技術開発を支援します―

  中小企業技術革新制度は、中小企業の新技術を利用した事業活動を支援するために、国の関係省庁が 連携して、中小企業の研究・技術開発とその成果の事業化を支援する制度です。具体的には、技術開発 のための補助金・委託費などの交付と、その成果を利用した事業活動について特許料等の軽減や債務保 証枠の拡大などの措置があります。SBIR における補助金は毎年増額されており、平成 19 年度は目標額 として約 390 億円、対象事業として 89 事業が設定されています。平成 20 年度についても継続され、対 象の補助金も増加すると思います。補助金を有効に活用するためには、まずそれぞれの個別事業の内容 を知り、適切な事業を選定し、応募時期を失することなく、応募・申請しなければなりません。応募の 募集は、各交付機関のホームページで公表されます。応募期間は短いので、申請をしょうとする事業が 決まると、定期的に該当する交付機関のホームページにアクセスすることをおすすめします。中小企業 の皆様が応募しやすい事業の一例として次の事業などがあります。経済産業省関連で 1)中小企業・ベ ンチャー挑戦支援補助金(実用化研究開発) 、2)地域資源活用売れる商品づくり支援補助金など。この ほかにもいろいろな事業があります。積極的に活用をご検討されればいかがでしょうか?

気になる用語 「エコ検定」  技術士(上下水道・総合技術監理部門) 松島 正

  最近は「XX 検定」がブームです。エコ検定(eco 検定)は環境社会検定試験であり、東京商工会議所 及び賛同する全国の商工会議所が主催します。企業人、学生及び社会人を対象として、平成 18 年秋に 第一回が実施され、今年度は 7 月と 12 月に第二、三回試験が実施されました。今後も年に 2 回実施さ れます。第一回では 1.4 万人が受験して、1.1 万人が合格しています。第二回は 1.0 万人が受験して 5 千人が合格しました。合格率はそれぞれ約 80%、50%でした。因みに試験はマークシート方式による多 肢選択問題を 2 時間で行い、合格基準は 100 点満点で 70 点以上となっています。
 環境に対する幅広い知識を問い、環境と経済を両立させた持続可能な社会を目指しています。合格者 はエコピープルと称して、その後のスキルアップや、団体へのエコユニット登録などの体制が整備され つつあります。市販されている公式テキストを読むことで、環境に関わる知識の体系付けや整理ができ て有益であり、企業の環境教育の一環としてもお勧めできます。

連載解説 「在庫管理とJIT生産方式」(第2回)  技術士(経営部門) 佐藤 幸雄

3.在庫の必要性

 前回、製造工程の在庫の縮減は改善の原点であると述べました。 トヨタ生産方式では、在庫は、ジャストインタイム実現の諸悪の根元として、徹底した在庫縮減対策を実施しています。
(1)在庫を減少させると何が起こるか。
 在庫を持っていれば、機械が故障しても在庫の分だけは製品を供給することが出来ます。 しかし、在庫がなくなれば、製品を供給することが出来ず、問題となります。同様のことが、作業員の欠勤、不良の発生、 材料切れなどの場合も発生します。在庫が少なければ、このような問題点がすぐに顕在化し、 問題点の解消対策を実施せねばならなくなります。
(2)在庫の必要性
 在庫は諸悪の根元であると言っても、段取り替えや刃具交換など、 生産確保に必要不可欠な生産停止をカバーするだけの在庫は必要です。 この在庫量の最小化に向けた対策が改善となります。

4.在庫縮減対策

 在庫縮減対策は、トヨタ生産方式では、在庫ゼロを目指した対策を実施することであります。 必要在庫と言っても、ゼロに近づけることが理想です。
(1)現状把握
 在庫縮減対策の第1着手として、工程内の在庫状況を調査し、その工程における在庫の必要性の検討してみましょう。
(2)在庫縮減対策
 在庫縮減の対策には次に上げる事項を重点事項として、まず、実行しましょう。
  ① 在庫の置き場を明確に定め、限定数量しか製品を置けない様にする。
  ② 機械故障が起きないようにメンテナンスを確実に行う。
  ③ 段取り替え時間の短縮を徹底して行う。
  ④ 問題点がすぐにわかるよう、管理の体制を整備する。
製造工程の在庫縮減は改善活動の原点であることを意識し、着実に実行することが必要です。

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利息すらつかぬのにつく手数料


(平成サラリーマン川柳傑作選より)

写真撮影 鈴木安男

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2008年 3月 1日 発行 発行責任者:かわさき技術士クラブ 代表幹事 武藤文男
E-mail: f-mutoh@df6.so-net.ne.jp

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