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「坂の上の雲」 技術士(総合技術監理・化学部門) 北本達治
完結まで3年越しの「坂の上の雲」、年末の完結編を見ました。
ハイビジョン、CGなどの画像技術駆使の日本海海戦の迫力は楽しめました。
この番組を見ながら、貧しい日本と国民が総力を挙げ、まさに一丸となって、世界の強国ロシアを破ったこと、
明治維新だけでなくこの日露戦争の勝利が、日本の技術、モノづくりの基盤、現代日本の基礎を作ったということ、
第2次世界大戦-突入という回り道をしたが、戦後の復興はこういう歴史の蓄積があったればこそとの感を強くしました。
チュニジアのジャスミン革命に端を発し、エジプト、リビアと展開したアラブ世界の体制再編の嵐、
ギリシャの財政危機からEU全体の広がっている経済危機、米国でも貧富の格差拡大に抗議する若年層のデモ、
米政府も債務上限規制のために債務不履行の懸念、3/11の東日本大震災、未曽有の大津浪、
想定外の全電源がダウンによる福島原発事故という大災難の日本。
日本だけでなく、世界的にも歴史の節目になるような大動乱が続出した2011年、
この中で、日本だけが円高を維持しているのも中期的には日本経済の可能性を世界が評価している証左ともいえます。
日本のポテンシャルをフルに引き出して日本経済復興へ向けて力強い辰年にしていきたいものです。
「想定外と労働安全」 技術士(総合技術監理・電気電子部門) 鈴木安男
最近、東日本大震災後に報道などでよく聞かれる言葉に「想定外」があります。
これは、事前に想定した範囲を超えることや、想定していないことが起こることをいいます。
国内での観測史上最大規模M9.0です。自然災害の場合は、想定外のことだからやむを得ないとういう傾向にあるようです。
一方、労働災害の場合は想定外だからという理由で片づけられないのではないかと考えます。
今までの労働災害の原因分析や対策が、甘かったり、今まで発生していないのだからなかったことにしようとか、
そんな災害はあり得ないという理由で処理されている傾向はないでしょうか。
平成23年も全産業の労働災害の死傷者数は、約11万人(死亡者数は1,195人)もの多くの作業者が死傷している現実があります。
平成18年に労働安全衛生法が改正され、労働災害防止の一手法であるリスクアセスメントが導入され、
今年で6年目になり、多くの企業で導入・活用され実績を上げています。
この手法の中に、「危険性又は有害性」を特定するという重要な手順があります。
「危険性又は有害性」の特定は、「安全の目線」、「人はミスを犯す」、「機械や設備は故障する」ということを前提にして、
作業観察を行い特定します。
この場合、実際の作業観察のみならず、「多分このような行動をするかもしれない」と想定することです。
想定作業の行動をいろんな角度から多面的に想像力を働かせて作業を観察することによって「危険性又は有害性」を特定し、
対策を立て労働災害を減らすことが肝要です。素朴な目線で作業状況を観察した時、過去の災害例にとらわれずに、
こういうこともあり得るとか、あるかもしれないなどの想像力を働かせることです。
労働災害は、自分で経験したことについてはよく記憶し体得していますが、そうでない場合は、無頓着になる傾向にあります。
だからといって、いろんな経験をすることは不可能なので、過去や他職場の災害事例(水平展開)も教訓にして、
わが身に置き替えてみることも重要です。
近年は技術革新、省力化・自動化、ICT化などにより労働災害の内容も多様化の傾向にあります。
このような時代にこそ、より、危険に対する感受性や想像性を高め、「ゼロ災」に向けた真摯な対応が肝要です。
自分のために、家族のために、会社のために!!
労働災害防止には、当かわさき技術士クラブも「出前セミナー」などで皆さんのご支援をいたします。
MOT第14回 「選択と集中」 技術士(情報工学部門) 久田見 篤
技術経営の中では、経営戦略、事業戦略、市場戦略、成長戦略、知的財産戦略など、戦略という言葉が良く使われます。
元来は戦術とペアで使われることが多かったようですが、現在は広く目的を達成するための方策として様々な場面で使われており、
戦略の理解を困難にしている面も有る様です。
企業経営での戦略を考える場合のポイントのひとつに「選択と集中」があります。
限られた資源を効率的に活かすために事業活動の重要な項目への資源配分を強化するというということであり、
経営者が日常的に判断している事だともいえます。例えば一つの事業で複数の製品を持っている場合に、
ある特定の製品に技術開発や営業の資源を集中させることはひとつの事業戦略だと言えます。
また複数の事業がある場合に、特定の事業に経営資源を集中することも経営戦略だと言えます。
一方、要求に応じて資源をまんべんなく配分するだけでは戦略的な取り組みとは言えないでしょう。
「選択と集中」を行うには、注力すべき事業や製品を選ぶことが必要になります。また集中の程度も明確にする必要があります。
多くの場合人員、設備、費用、時間などの資源ごとの配分も考えることが必要になります。
経営戦略や事業戦略としての「選択と集中」の決定は、
経営方針やビジョンに基づいて様々な要因を考慮する必要があることから経営者が判断すべきものだと言えます。
好況下であれば成長製品や成長事業への集中投資の判断は容易ですが、
不況下で資源が限られる場合の「選択と集中」は経営者にとって難しい判断となります。
また、限られた資源を集中させるということは、資源が削減される事業や製品が必ず発生します。
従って「選択と集中」による戦略的な取り組みを成功させるためには、組織内におけるビジョンの明確化、考え方の共有化、
一定期間の継続した取り組みなどが必要になります。
日本の製造業には技術経営が重要だと言われますが、自社製品を持たない企業が技術を活かし付加価値の高い事業を展開するには
第二創業ともいえる大きな変革が必要です。
既存の事業を進めつつ、この変革を達成するためには「選択と集中」による戦略的な取り組みが不可欠と言えます
お役立ち最新情報
[技術士によるセミナー]
H23年度川崎市産業振興財団主催の人材育成セミナーは、先月終了しました。 本年度は、「リスクマネジメント」「省エネルギー」「技術経営」をテーマと して講演を行い盛況の内に終了致しました(右写真)。 H24年度も皆様のお役に立つセミナーを計画しておりますのでご期待下さい。 |
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13:30~16:30 | (例)公的支援、電気用品安全法、技術・経営に関すること |
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