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NPO法人かわさき技術士センター

多孔性材料


1.多孔性材料とは?

 読んで字のごとく小さな穴「孔」がたくさん「多」ある「材料」のことです。孔の種類、特徴およびその使用例について説明させて頂きます。

2.代表的な孔の種類

(1)一番小さな孔でフラーレンやナノチューブなどの分子の中に存在します。
(2)ゼオライトのような結晶の中に生じた孔で、形と大きさが揃っています。
(3)アルミナ、シリカ、チタニアのような粒子が凝集した隙間にできる孔です。
(4)スポンジや発砲スチロールのように材料の中に気泡が分散した形で出来る孔です。

3.多孔性材料の基本的な特徴

(1)表面積が大きい;球の直径とその表面積の関係を右表に示しました。 孔の大きさが小さくなると共に孔の表面積が非常に大きくなっています。 例えば、冷蔵庫の脱臭剤に使われている活性炭1グラムの表面積は 1,000m2(300坪)にもなり一般家庭の敷地面積より大きいものです。

(2)強度がある;「孔」すなわち何も無い空間があるために材料が節約されますが、材料の強度はその割合では減少しません。


4.多孔性材料の機能

 孔がたくさんあることによって材料に色々な機能が付与されます。 例えば、分離・濃縮、吸音・遮音、保温・断熱、緩衝、吸着、毛管現象、選択的化学反応、易溶解性、保持・貯蔵などの機能です

5.孔の大きさや表面積などの性質が重要な使用例

 私たちの身の周りには孔の性質によって、製品の品質や性能が左右されるものが沢山あります。 例えば、新聞や雑誌などの印刷用紙、インスタントラーメン、浄水器、コンタクトレンズなどです。 また、先端技術に使われている例としてはスペースシャトルの断熱タイル、蓄電池・燃料電池、化学反応の触媒、センサーなど多くあります。

 皆様の製品に、多孔性材料の色々な性質の取り入れを検討してみては如何でしょうか。



お問い合せ先  小野 健雄(技術士 化学部門) xiaoye-dian@bd.wakwak.com