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NPO法人かわさき技術士センター

ISO

ISO9001、ISO14001に代表されるマネジメントシステム認証制度は有効に機能しているか。

1.マネジメントシステム(以下MSと言う)認証を取得すると言うことは

ISO9001(QMS)やISO14001(EMS)をはじめとするMS規格の認証を取得すると言うことは、 企業の品質向上や環境配慮等のため規格が要求する然るべき体制(しくみ)が企業の中に存在することを実証するものです。
(注1)QMS:品質マネジメントシステム、EMS:環境マネジメントシステム

2.MSとは

品質であれ,環境であれ、まず企業トップによる方針を策定し、これに対して目標を設定し、実行し、 その進捗状況を監視・測定し、問題点については是正処置を実施し、これら改善活動結果についてレビューし、 さらなる改善を図るという、いわゆるPDCAによるスパイラルアップを目指すものです。 そのために必要となる体制(責任と権限)、ルール化(文書化、教育、コミュケーションなど)を求めています。

3.MS実施のメリット

MSを実行するには当初苦労が付きまとうと思いますが、長期的には「社内業務の見える化」が進み効率が上がると確信します。 その鍵は、本業の業務執行の仕組みの中にMSの仕組みを入れ込む事です。MSのための特別の仕組みを別立にすると失敗します。 中小企業の皆さんの規模にあった体制(仕組み)を構築することです。詳しくは当技術士クラブへ問い合わせください。

4.MSの課題とその対策動向

一昨年(2007年)頃から有名な食品製造業、製紙業の製品、環境汚染等における不祥事が続きました。 消費期限切れの原料を菓子に使用したH社、ばい煙排出データを改ざんした製紙会社は、ISO9000、14000の認証を取得しています。 認証取得企業でありながら、こういう不祥事を未然に防止できなかったことに対し、 ISOマネジメントシステム認証の仕組み自体の信頼性が問われているとも言えます。 このような事態に対し、経済産業省から2008年7月に「マネジメントシステム規格認証制度の信頼性確保のためのガイドライン」が公表されました。 このガイドラインに沿った取組みがMS認定機関、認証機関を中心に検討されています。 組織のパフォーマンスの向上を確実にするための「有効性のあるMS審査」が求められています。



お問い合せ先:遠藤 民夫(技術士 機械部門 ) (CEAR登録環境審査員 ) t_endo@ttv.ne.jp