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NPO法人かわさき技術士センター

省エネルギー

1.省エネルギーの現状

1990年を基準とした2007年の日本国内CO2排出量とその増減を(表1)に示します。 注目すべき点は産業部門の排出量は2.3%減少しているものの、 業務、家庭部門は43.8%、41.2%と大きく増加している点です。

(表1)1990年基準の2007年の国内CO2排出量の増減
番号部門 CO2排出量(百万-t)
1990年2007年増減
産業部門 482 471 2.3%減
運輸部門 217 249 14.6%増
業務(商業、サービス、事業所 164 236 43.8%増
家庭部門 127 180 41.2%増
      出典: 独立行政法人地球環境研究所温室効果ガスインベントリオフィス

産業部門が減少している理由としては大手製造業の省エネ努力があげえられますが、 今後についてはその省エネ改善余力は少なくなっているのが実情で、 いわゆる「乾いた雑巾を絞る。」と言う状況になっていると認識しています。

2.今後は中小企業の省エネ努力が必要

先に述べたとおり、大手製造業の省エネ改善による大きな効果は今後期待できませんので、 中小企業(製造業、業務部門含み)の省エネ努力が必要となって来ました。 しかし、中小企業としては100年に1度というこの経済危機の中、 省エネどころの話ではないと言うのが実情でしょう。 しかし、日本国内の企業のうち99.7%(419.8万社)が中小企業ですので、 個々の中小企業の省エネ改善量が小さくても、 数が多いためその効果は大きなものとなります。

3.省エネ活動を通して経費節減を

省エネルギーを実践し、電気、ガス、水道経費を削減しましょう。 うちの会社は「そんなに電気、ガスを使ってないよ」と言う声が聞こえて来そうですが、 省エネをすればその分確実に経費が削減できます。年間10万や20万円でも節減し、 その分を福利厚生にでも回せばそれなりに意味があると考えます。 機械やパソコンの稼動時間の見直し、エアコン空調室内であれば温度調整、 窓にはブラインド取付、10年以上使用したエアコンであれば、最近の高効率エアコンへの置き換え、 空気圧エアー漏れの解消、その他設備の断熱や排熱回収などいろいろ改善項目はあります。

かわさき技術クラブの下部組織にNPO法人「エコかわさきフロンティア」があり、 中小企業の省エネ支援を行っておりますのでお問い合わせください。                   

4.消費エネルギー法による企業への努力義務

省エネ法では消費エネルギーの原油換算値が1500kl以上の場合は 国へエネルギーの使用状況等の報告義務があります。ほとんどの中小企業の場合、 消費エネルギーが前記の値以下と考えられますので前記の報告義務はありません。 しかし、企業の規模を問わず中長期的にみて原単位で年1%以上の削減努力義務があり 中小企業へも適用されます。(表2)にエネルギーの原油換算、CO2排出量換算値を示します。

(表3)各エネルギーの原油、CO2排出量換算
燃料区分 単位 原油換算値(kl) CO2排出量換算値(トン
電力 千kWh 0.257 0.43
灯油 Kl 0.947 2.49
ガソリン kl 0.89 2.32
都市ガス 13A 千m3 1.161 2.08

出典: エネルギー使用量の計算法(省エネセンター)、東京電力電気料金領収書、 温室効果ガス排出量計算のための算定式及び排出係数一覧(環境省)



お問い合せ先:遠藤 民夫(技術士 機械部門 ) (CEAR登録環境審査員 ) t_endo@ttv.ne.jp