中小企業技術支援ニュース第98号(2024/09)
目次
・ 地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制-川崎市の取組み-
・ SDGsを実現する新経営手法SDQと支援する伴走経営
・ お役立ち最新情報
「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制-川崎市の取組み-」 技術士(機械部門) 白石 秀樹

令和5年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」の中で2050年までのカーボンニュートラル実現のためには 中小企業を含めたVC(バリューチェイン)全体で脱炭素化を進める必要があります。 その中で川崎市での脱炭素化を取りまく状況と課題および対策について紹介します。
川崎市の温室効果ガス排出量は2026万t-CO2で、このうち産業系が全体の約76%を占めていて、 全国平均と比べて非常に大きいと言えます(全国平均は約46%)。 川崎市は全国の政令都市で最も多くの温室効果ガスを排出していて、同レベルの人口規模である福岡市や京都市の約3.3倍です。
では、中小企業の脱炭素化・脱炭素経営に対する意識は高いのでしょうか。 川崎市のアンケート(令和5年7月実施・市内中小企業1500社)では半数以上の企業が「取り組んでいない」「必要性を感じない」と回答しています。 ヒアリング調査では取り組むための人材不足や本業の多忙、サプライチェインからの取り組みを要求されていないなどにより取り組みの必要性を感じていない経営者がほとんどです。 令和4年5月に作成された「脱炭素化取組ガイドブック」は、金融機関、支援機関などへ配布されましたが、 ガイドブックの活用状況のヒアリングでは、やはり脱炭素化への関心が低いことが分かりました。
◆令和5年【川崎市脱炭素経営支援コンソーシアム】を構築◆
上述のように川崎市の中小企業について調査の結果、脱炭素化に取り組めていない状況にあり、 更なるチャレンジとして環境省の「令和5年度地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」に川崎市として応募し採択されました。 本モデルは中小企業の脱炭素経営に向けた「支援体制の構築」や「支援メニューの拡充」を国の支援を受けて実施するものでコンソーシアムを創設し、 参加機関である川崎市・川崎市産業振興財団・金融機関などの相互の交流による情報共有と協力によって脱炭素経営支援を強力に進めようとするものです。 NPO法人かわさき技術士センターは川崎市産業振興財団の連携団体として参画しています。
◆参画団体の支援人材による地域ぐるみの事業者支援◆
モデル事業実施内容としては ① 専門人材の企業訪問で脱炭素経営の課題と事業計画の策定支援を行う。 ② 技術士、エネルギー管理士などが企業のエネルギー最適化の診断と提案を行う。③ CO2排出量算定の指導を行う。 ④ 小規模事業者向けの排出量算定ツールの作成・提供。⑤ 脱炭素経営事例集を作成する。
「SDGsを実現する新経営手法SDQと支援する伴走経営」 技術士(経営工学) 田中 弘一
夏は猛暑が続き熱中症が多発し、エアコンも常時使用で電気代も上昇しました。このような時期に 省エネを推進し、SDGsを達成する必要があります。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)も企業の成長には必須となっています。また、自動車企業の認証試験不正問題は品質保証(QA)が 重要になってきました。一方、生成AIの発展は目覚ましく、新しいイノベーション、業務効率化や 人員不足への対策に有効です。それらの関係をSDGsを基にSDQ、省エネ、AIについて説明します。 SDQは「2030年の質価値創造研究会」細見純子編にて提唱されました。SはSDGs、DはDX、Qは 品質保証を表します。SDGsの目標17項目中、12項目は作る側に関連しています。 以下に筆者の意見を追記説明します。

1.経営理念の作成
経営理念は、企業存在の目的、使命、迷った時の拠り所等であります。 一方、SDGs達成のためにはパーパス経営(企業の存在意義を明確にし、社会に貢献する経営を実践すること)は必須であり、 その構成は、
① 社会における存在意義
② 社会と利益を分け合う
③ 社員と会社目的を共有
です。
2.事業の土俵、強みを具体化したビジョン作成
3.中期経営計画等の経営戦略作成
4.戦略ストーリー
目標値、SDQ業務プロセス、バランス・スコア カード(財務、顧客、社内、人材育成の各視点)、 補助金申請書を作成します。
5.戦略ストーリーのアクションプランへの展開
6.DXの構築
7.経営会議への報告
注:伴走型支援(深刻化する「社会的孤立」に対応するため「つながり続けること」を目的とする支援) は「2024年度中小企業診断士理論研修 中小企業伴走支援」(本道純一編)を参考にしています。
お役立ち最新情報
[技術士によるセミナー] (現場経験に基づくホットな内容)

◇2024年度「KIIP公益財団法人川崎市産業振興財団」との共催(技術)セミナー開催のご報告
今年度は下記の2テーマについての開催を終了致しました。
第1回:「事例で学ぶ省エネ対策」~価格高騰、SDGs すべて対応します」 10月16日(水)
第2回:「事例を基にして売れる商品開発のコツを易しく解説します」 ~技術マーケティングの活用~ 11月20日(水)
時間帯:14:00~16:00/講義90分、質問30分
セミナー形式:第1回はオンラインのみ、第2回はオンライン、会場のハイブリットです。
今後とも多くの皆様に、ご参加・ご活用頂きたく、よろしくお願いいたします。
[支援事業] (申込先:川崎市中小企業サポートセンター)
ワンデイ・コンサルティング (無料) | 原則随時です | 企業に出向き緊急の課題を支援します。最大3回可能です。 |
専門家派遣 (有料) | 募集があります | 費用は半額企業負担です。課題に対し最大12回の継続支援。 |