中小企業技術支援ニュース第101号(2025/7)
目次
・ 川崎の未来を加速するエンジン。『川崎市産業振興財団』を知っていますか?
・ AI の現状と今後? 中小企業にとっての有効な活用術とは?
・ お役立ち最新情報
「川崎の未来を加速するエンジン。『川崎市産業振興財団』を知っていますか?」
公益財団法人川崎市 産業振興財団 産業支援部長 塩川 克久
「会社をさらに成長させたい」、「新規事業の始め方が分からない」、「優れた技術の販路が見つからない」。
こうした経営者の悩みに応えるパートナー、公益財団法人川崎市産業振興財団をご存じですか。市内事業者みなさまのための強力な公的支援機関ですが、その価値はまだ十分に知られていません。本稿を通じぜひみなさまに当財団を知って頂き、また使っていただければと思い当財団の活動についてご紹介させていただきます。
連携力で支えるワンストップ支援
当財団の最大の強みは、企業の成長段階に必要な支援をワンストップで提供する点です。その活動は、商工会議所や金融機関、大学、そして多様な技術専門家が集う「かわさき技術士センター」といった機関と緊密に連携。「オール川崎」で企業を支える強力なハブとして機能しています。
1.創業期:夢をカタチに
当財団の中小企業サポートセンターでは、「かわさき起業家塾」や、「かわさき起業家オーディション」を中心にスタートアップのみなさまを応援するメニューを多数取りそろえているほか、新川崎・創造のもり内のインキュベーション施設「かわさき新産業創造センター(KBIC)」では、専門知識を兼ね備えた幅広いネットワークを持つインキュベーションマネージャーが常駐し、バックオフィスから技術開発まで、きめ細やかな支援を行います。
2.成長期:企業の飛躍を加速
▪ 経営・技術相談: 経営戦略からDX、専門的な技術課題まで専門家が対応。特に技術課題では「かわさき技術士センター」と連携し、最適な専門家を繋ぎます。
▪ 販路拡大支援: 展示会出展やビジネスマッチングで、新たな顧客獲得を後押しします。
▪ 人材育成: 実践的なセミナーや研修会で、企業の競争力向上に不可欠な人材育成をサポートします。
3.新産業創出:未来への投資
ライフサイエンスなど、川崎市が強みを持つ分野での新産業創出も重要なミッションです。殿町キングスカイフロントでは、同分野におけるオープンイノベーション・エコシステムを形成し、地域に新たな価値を⽣み出していくため、様々な取組を進めているほか、ナノ医療イノベーションセンターでは、ウイルスサイズのスマートナノマシンの創製による体内病院の構築など、様々なプロジェクトが進められています。
< 結び >
先行き不透明な経済状況の中、優れた技術やサービスを持つ企業が、経営課題を乗り越えられず成長の機会を逃すことは、市全体の活力低下に直結します。当財団を知っていただくことで、支援を本当に必要とする人にサービスを届け、川崎の経済的ポテンシャルを最大限に引き出す・・川崎市産業振興財団は、企業の成長と川崎の未来を加速させる強力なエンジンでありたいと考えています。
経営者や起業家の皆さん、ぜひ一度、その扉を叩いてみてください。そこに、あなたの会社と川崎市の、次の一歩を踏み出すための答えが待っています。
「AI の現状と今後? 中小企業にとっての有効な活用術とは?」 技術士(機械部門)伊藤 精二
2025 年の今、AI(人工知能)はビジネスの現場で不可欠な存在となりつつあります。日本国内でもAI 導入率は全体で約47%、今後はさらに増加が見込まれています。AI(ChatGPT やGemini、Claude など)の進化により、文章生成や画像生成、データ分析といった業務がかつてないほど効率化され、AI活用の領域が急激に広がっています。
近年のAIは、単なるデータ分析や自動化を超え、人間のような文脈理解や感情認識、複雑な状況判断が可能になっています。マルチモーダルAI(テキスト・画像・音声など複数データを統合して理解するAI)の登場で、例えば「画像から説明文を自動生成」「会議の音声と資料をまとめて要約」など、より高度な業務支援が実現されています。
また、「説明可能性」や「倫理性」への配慮も進み、ビジネス現場で安心して使える技術へと成熟しつつあります。既に、AI搭載PCやIoT機器の普及、専門領域に特化したAIの登場など、あらゆる業界でAI活用が常識となる時代に移行しつつあると言えるでしょう!
中小企業にとってAI導入の最大のメリットは「業務効率化」「人手不足解消」「データに基づく意思決定の高度化」ではないでしょうか? 例えば以下のような事例が報告されています。
◇ 業務効率化:AI-OCRで請求書処理を自動化し、作業時間を1/3に短縮。
◇ 顧客対応:AIチャットボットで24時間サポートを実現、問い合わせ対応の75%を自動化。
◇ 品質管理:AI画像認識で製品検査を自動化、不良品発見率95%に向上、コスト削減達成。
◇ 見積もり自動化:図面からAIが自動で見積もりを作成、業務属人化を解消。

《 活用のポイント 》
➢ まずは無料ツールや低価格プランで試し、業務効率化やコスト削減の効果を実感する。
➢ 現場の課題に直結する用途から導入する。
AI活用は「高コスト・専門知識が必要」と思われがちですが、現在は中小企業でも手軽にPC、スマホで使えるAIツールが豊富です。代表的なもの、評判の高いもので ChatGPTやPerplexityなどは無料版もあり、有料版でともに月額 $20 程度です。
AIは、もはや大企業だけのものではありません。中小企業にとってもAIは「業務の質」と「競争力」を高める強力な武器となるものではないでしょうか?まずは身近な業務からAI活用を始め、未来の成長への備えを考える必要もあるのではないでしょうか?
お役立ち最新情報
[KGC(かわさき技術士センター)技術士によるセミナー] (現場経験に基づくホットな内容)
◇2024年度「KIIP公益財団法人川崎市産業振興財団」との共催(技術)セミナー開催実績のご案内

第1回:「事例で学ぶ省エネ対策」~価格高騰、SDGs すべて対応します」 10月16日(水)
第2回:「事例を基にして売れる商品開発のコツを易しく解説します」 ~技術マーケティングの活用~ 11月20日(水)
時間帯:14:00~16:00/講義90分、質問30分
今後とも多くの皆様に、ご参加・ご活用頂きたく、よろしくお願いいたします。
[支援事業] (申込先:川崎市中小企業サポートセンター)
ワンデイ・コンサルティング (無料) | 原則随時です | 企業に出向き緊急の課題を支援します。最大3回可能です。 |
専門家派遣 (有料) | 募集があります | 費用は半額企業負担です。課題に対し最大12回の継続支援。 |