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NPO法人かわさき技術士センター

技術支援ニュース

No.43


2013年10月号


発行責任 NPO法人かわさき技術士センター

「最近のトピックスのご紹介」
  公益社団法人川崎産業振興財団 理事長 曽禰 純一郎

最近のトピックスをいくつか紹介させていただきたいと思います。
 8月に、当財団をはじめ県内の支援機関・商工会議所・金融機関が参加する 「かながわ中小企業支援プラットホーム」が発足しました。 国のビジネス創造支援事業の柱である専門家派遣事業を実効あるものとするため、 皆様と知恵を出し合いたいと思います。
 2月の川崎起業家オーディションで起業家大賞を受賞した (株)シュアールの大木さんが8月に台湾で開催された「インテルAPECチャレンジ」で見事準優勝し、 10月に開催される「インテルグローバルチャレンジ」の出場権を獲得し、 川崎から世界への途を開いてくれました。本戦でのご健闘に期待したいと思います。
 このたび当財団では、元気な中堅・中小企業60社を紹介する「新・川崎元気企業」を発行しました。 川崎市の産業振興の取り組みと今後の展望についての阿部市長と平尾光司先生の対談も読み応え十分です。 是非お買い求めください。(1部2,100円)
 最後に、かわさき技術士センターの益々の発展と会員皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

「コストダウン(経費節減)」
  技術士(総合技術監理部門) 鈴木 安男

 景気動向は「緩やかに回復している」という昨今において、企業は、景気動向の如何にかかわらず、 厳しい経営環境においても利益を上げ、経営を継続させていかなければならない現実があります。
 利益を上げるためには、「売上げ増加(売上数量の増大、価格の値上げ)」と「コストダウン」の2つしかありません。 売上増加は景気の変動や企業間競争などにより不確実ですが、 コストダウンは売上増加と比べると最も確実性が高い(自前、短期間)方法です。
 コストダウンの今日的な課題は、競争の世界規模化、異業種参入、高コスト体質です。 企業内において、これらの課題を解消するには、①全社で取り組み、 会社の継続には利益が必要であることを、常に社員に意識づける。 ②ムダの排除:生産現場のムダ、社員の危機意識、変動費と固定費削減、管理間接部門の業務改革。 ③コスト意識改革:コストダウンは工場改革と生産革新の取り組みの結果であり、無理やり下げたコストは一過性のものにすぎないことを認識する。 ④利益創造の活動が重要:新製品、新技術、高品質、適正価格。 ⑤在庫削減:利益を生み出すためには在庫削減が急務です。
 コストダウンの基本的な考え方は、「やめる」、「やめられないものは減らす」、「減らせないものは変える」という考え方を徹底することです。 コストダウンの代表的な手法については、

  • (1) 目的志向の考え方:常に何のために、目的は何かということ考える。
  • (2) コストダウンパトロールによる方法:数人が組になって職場を巡回し、問題点を洗い出す。
  • (3) 経験・直感・ひらめきによるコストダウン方法。
  • (4) VE(価値工学):製品の価値を損なわず、安く作る方法。
  • (5) QC(品質管理):問題の現象を分析して真の原因を探す。品質の維持向上。
  • (6) IE(生産工学):現状の工程や作業方法を分析し仕事の方法と時間の両面から改善を図る。

この他にも、5WHY・5W2H方法や標準化の方法などもあります。
徹底したコストダウンを図ることによって企業発展のチャンスもあります。
これらのコストダウン取り組みについては、かわさき技術士センター(KGC)がご支援いたします。 。

「長寿命食品を産み出す秘訣にせまる」
  技術士(経営工学部門) 和田 吉正

 毎年多くの加工食品が開発され発売されています。 食品はおいしさが基本ですから、おいしさが満足されなければ短期間に市場から消えてしまうでしょう。 それでは、おいしければ長い間消費者に愛される長寿命商品になれるかというとそうでもありません。 ではどうしたら長寿命商品を産み出すことが出来るのか?これは食品企業にとって大変興味があるテーマです。
 第一に、「おいしさ」とは味覚だけでなく、嗅覚、触覚、視覚、聴覚などの総合的感覚であることを理解することが大切です。 図のように脳の眼窩前頭皮質で情報統合が行われ、“おいしさ”として総合評価されます。 そこで製品開発では総合的な品質評価を実施し、ブランド力No.1を目指します。長寿命にはNo.1であることが大切です。 そのためには原料素材の自社開発や魅力ある容器包装の開発など、他社の追随を許さない開発技術力、生産技術力が必要です。。
 第二に、品質安定性と食品安全の確保です。品質のばらつきや食品安全問題の発生防止ができなければなりません。 製品クレームを起こしているようではお客様の心は逃げてしまいます。脳の扁桃体には食の不快体験、不安情報などが入ってきます。 「おいしいけどこの商品は嫌だ、不安だ。」と判断されたらお客様との信頼関係は崩れ、商品寿命は長くは続かないでしょう。 信頼構築・維持には全社一丸となった品質管理マネジメントや食品安全マネジメントが必須と言えるでしょう。。
 第三は、参加型顧客コミュニケーションです。 総務省統計によるとパソコン、モバイル端末併用のインターネット使用者推定値は約6500万人で、 10年間で倍増しています。大手食品企業のホームページを観れば一目瞭然です。 ICTを駆使したコミュニケーションの時代です。 自社の良い点を伝え、不安材料を解消することでお客様との心を繋ぎ、信頼を醸し出すことが今の時代感覚なのです。 詳しくは下記のセミナーで紹介します。食品にご興味のある皆様のご参加をお待ちしています。

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「電気・電子系の設計ツール活用法と実験環境のそろえ方」 技術士 増田久喜
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「ISO9001 改定の動向について」 技術士 武籐文男

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TEL:044-548-4141 FAX: 044-548-4146 URL: http://www.kawasaki-net.ne.jp/
2013年10月 1日発行  発行責任者:NPO法人 かわさき技術士センター 会長 磯村 正義
NPO法人 かわさき技術士センター URL:http://www.n-kgc.or.jp/ E-mail: info@n-kgc.or.jp

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